禁酒を破ると何が起きるか 禁酒違反効果(AVE)について解説してみる

信濃病院健康

芸能界でもアルコールによる法律違反が目立つ昨今。山口達也さんしかり、吉澤ひとみさんしかり、その他何人も「アルコール依存症」と戦う芸能人や著名人が居ます。
あなたの身の回りにも、「毎晩ワインを飲んでいる」とか「毎晩晩酌をしている」という人はいませんでしょうか?そういった方々も要注意です。
アルコール依存症は、アルコールを摂取するごとに進行していきます。進行性の病とも言われています。


禁酒をすると現れる「良い効果」

そうした人々が禁酒をすると、とってもいい効果が現れます

  • 朝の目覚めがよくなった
  • 階段を登っても息が切れなくなった
  • 体力がついて、活動的になった
  • お酒にお金を使わないので貯金ができる

など、禁酒のメリットをあげればキリがないわけです。アルコール依存症と診断されていない人でも、禁酒してみることはありますよね。
例えば何か酒で失敗した・・・など、マイナスなトラブルを引き起こした場合、「禁酒する!」と宣言する人もいます。

そんな人でも、また何かのはずみで酒を飲むと、「もうどうでもよくなった」という方が結構います。

禁酒を破るということが、精神的に、身体的にどう影響するかについて、この記事では紹介したいと思います。

禁酒を破ると、禁酒違反効果(AVE)が起こる

禁酒後の最初の飲酒は特別な反応を呈することが多い。その反応を「禁酒違反効果」と呼ぶ。
禁酒違反効果はAVE(Abstinence Violation Effect)とも呼ばれ、下記のような反応を起こします。

  • 自責
  • 罪悪感
  • 抑うつ
  • 自己効力感の減退(禁酒による身体的メリットの喪失感)

自責・・・この感情はマイナスの感情になりやすく、その後どうでも良くなってまた毎晩の晩酌を始めてしまう可能性があります。

罪悪感・・・これはもっとひどい印象です。罪悪感から逃れたいがためにまた飲酒する・・・といった負のスパイラルが生まれ、アルコール依存症へと発展しやすい感情です。

抑うつ・・・これも、うつ状態から逃れようと飲酒するのですが、気分が上がるのは飲んだその時だけで、アルコールが身体から抜けるとまたうつ状態に陥り、自己治療としてアルコールに頼る負のスパイラルが生まれます。

自己効力感の減退・・・これは、個人的にはアルコール依存症の診断を受けた人が感じやすいと思うのですが、せっかく禁酒して体調が改善されたのにまた飲んでしまったためにこれまでの努力が水の泡になったように感じてしまう、ということでしょうか。

実際そんなことはないのです。トータルで断酒できている日を積み重ねればいいのです。
そのためにはその後にアルコールを飲まない、というのが最善の選択肢なんですが、依存症と診断された方は「どうでもいいや」と考える人が多く、そのまままたズルズルと元の連続飲酒状態へ戻ってしまうのです。

AVEに対してどう対処するべきか

アルコール依存症からの回復ワークブック

信濃病院で学ぶ、アルコール依存症からの回復ワークブック

禁酒後、最初の飲酒によって起こるAVEに対してどう対処していくかが重要です。

特に、アルコール依存症と診断されている方は、注意を払うべきでしょう。

飲酒過失(スリップ)することにより自責の念と罪悪感を感じ、抑うつ状態となる。それを忘れたいがために、更に酒を飲む、ひいては連続飲酒状態に戻る。この負のスパイラルはアルコール依存症の完全なる再発につながる。。。

完全な再発に至る前に、AVE(禁酒違反効果)に対して、適切な思考を持つことが重要です。AVEの予防(つまりアルコールを口にしないこと)はもちろんのこと、万が一断酒or禁酒を破ってしまった場合の捉え方が大事になっていきます。

  • 飲酒過失(スリップ)を自分の弱さとか失敗としてではなく、1つのミスとして受け止めることである。
  • 「ミスは誰にでもある。重要なのはミスをした事自体でなく、今後も同じミスをしないようにそこから学ぶことである」と他のミスと同様に受け止める。
  • 動揺してしまうのは仕方がないが、打ちのめされてはいけない。
  • スリップした状況や理由をよく考え、同じ状況で同じことを繰り返さないように学習する。
  • すぐに気を取り直して禁酒に取り組む。回復には長期間を要し、その間誰でもパーフェクトというわけにはいかないのである。

と、信濃病院のアルコール依存症からの回復ワークブックには書かれています。


アルコール依存症の人が再飲酒(スリップ)したら

連続飲酒状態に陥ることをアルコール依存症の再発とするならば、その再発率は85%です。

この数字を見るとわかるようにスリップ=即再発へとはならないようです。スリップした後の行動によっては連続飲酒発作は再発しない可能性だってあるのです。上記にあるように禁酒を破った後の捉え方と行動が、再発防止の鍵となります。

ただ、AA(アルコホーリクス・アノニマス)や、断酒会ではスリップ=即再発、と捉える方が多いと聞きます。

実際にTwitter上で見聞した話ですが、、、
とある断酒会でスリップの報告をしたら「もう二度と来るな」と言われた方も居るそうです。

私は個人的には、「ミスは誰にでもある、今後も同じミスをしないようにそこから学ぶことである」と考えています。
なので、Twitterのタイムラインでも「スリップしてしまいました・・・」とか見ても、アルコール依存症なんだし、仕方ないんじゃね?やり直せばいいだけさ、と捉えています。

アルコール依存患者にとって、このアルコールにかなり寛容な日本社会を生きるのは時々息苦しさを感じるかもしれません。

まあ、何はともあれ、100%を目指さず、60%程度のノリで酒を飲まない日を積み重ねるのがいいと思います。

「今日一日」

という言葉を噛み締めながら、再発の不安にさいなまれることなく、楽に、楽に、生きていくことが本人にとっていいんじゃないかと思います。
溝に落ちないように溝を見ながら歩いていれば落ちるリスクだってあります。それよりも堅苦しく意識せず、対処していけばよろしいのではないでしょうか?

あくまで個人的な意見ですから、アルコール依存症と診断された方は基本的に主治医や周りの支援者様達の意見に従いましょー!

コメント

  1. […] 退院して東京にもどれば酒の誘惑などは沢山あるし、つい衝動的に手が伸びてしまう可能性だってある。 その一杯で終わればいいが、アルコール依存症と診断されているからにはそうはいかないんだろうなぁ、、、と。 禁酒違反効果(詳しくは禁酒を破ると何が起きるか 禁酒違反効果(AVE)について解説してみる)が起きて、そのまま連続飲酒が再発する確率は85%。 […]

タイトルとURLをコピーしました